久々に「コートの仲間」兵庫県支部だよりの執筆です。前回、兵庫県支部同窓会に出席しておらず、情報がないまま私事記事になってしまい、翌年から同窓会にも出席していますが、それ以後、執筆依頼がないまま数年が経ちました。ところが、今年は油断し、バレー部情報収集を怠ってしまい、またまた私事記事中心になってしまいそうなので、最初に断っておきたいと思います。
毎年1月の中旬に明石市内で、広島大学体育科兵庫県支部同窓会が開催されています。今年、バレーボール部では24期の岩本正和先生、30期の桑野貢先生、そして34期の多田泰之・由紀子が出席していました。(34期ではバスケットボール部の青木俊也先生も出席)現在、岩本先生は県立芦屋高等学校で校長先生、桑野先生は県立夢前高等学校で主幹教諭、多田由紀子は県立いなみ野特別支援学校(高等部)で主幹教諭、そして私は神戸市教育委員会事務局総務部
神戸市総合教育センターで指導主事として勤めています。今後、広島大学バレーボール部同窓会事務局が今回に懲りず、原稿依頼していただければ、少しでも多くの情報を収集、報告したいと考えております。
バレーボール部指導では、34期の井上登先生率いる福崎町立福崎東中学校が、地区大会を勝ち抜き、平成23年度兵庫県中学校新人バレーボール大会出場、平成23年度兵庫県バレーボール男女優勝大会で5位に入賞し、第44回近畿中学生バレーボール選抜優勝大会に出場されました。そして平成24年度兵庫県中学校総合体育大会でベスト8に入る成績を収められました。
では、ここからが本題の「私事」です。この4月からJR神戸駅の東(海岸側)に位置するハーバーランドに隣接した神戸市総合教育センターの研修室勤務をしており、主に教員の初任者研修を担当しています。そこで今回は、神戸市の学校事情や、教員採用情報を少しでもお伝えしたいと思います。その前に、前回の執筆後、10年間の母校・玉津中学校勤務を終え、長田中学校に2年間勤務した時のことを報告させていただきます。
神戸市立長田中学校は、平成9年開校で、まだ創立16年目の新しい学校です。校区にJR・地下鉄・私鉄の駅があったり、校区に隣接した公園に鉄人28号のモニュメントがあったりと、下町風情豊かな、便利で住みやすい町です。また「そばめし」の発祥の地としても知名度を上げています。しかし、平成7年の阪神・淡路大震災で校区は甚大な被害を受けており、歴史ある苅藻中学校と大橋中学校が統合して、長田中学校が開校されました。こうした背景により、校区には経済的に厳しい家庭が多く、また、外国籍生徒が神戸市で最も多く在籍しているのも特徴の一つです。他にすでに帰化している家庭も多く、外国にルーツを持つ生徒がかなり多く、生徒指導と共に人権教育・防災教育にしっかり取り組んでいる学校です。もちろん、前任校と同じく、複数担任制で教員は日々、早朝から日付が変わる頃までの充実した勤務状況です。
平成22年3月の内示で、いきなり長田中教頭を命ぜられ、1学期は本当に目を回しながら必死の勤務でした。やっと、自分のペースが取り戻せたかと思った11月、事故が起こりました。生徒が住宅から転落し、死亡したのです。生徒・保護者への配慮、マスコミ対応、教育委員会や関係機関との連携など、たいへんな毎日でした。亡くなった生徒の家族はもちろんのこと友人や担任のケアにも校長と相談しながら、慎重にあたりました。その事故から1ヶ月が経ち、学校の雰囲気もやっと落ち着きだした12月、続いて2件目の住宅からの生徒転落事故が起こりました。1件目の生徒とは全く交友もない他学年の生徒だったのですが、残念ながら事故から約2週間後に亡くなりました。
こういったときに大切だと感じたのは、ことが起こってからの対応はいうまでもありませんが、やはり、日常の取組です。特に責任を学校へ向けられそうになったとき、それまでの担任の関わり(家庭訪問や丁寧な学習指導など)をよく理解されていた祖母の「学校に責任はない。担任の先生は毎日、よく関わってくれていた。よう知らん者が勝手なことを言うな。」の一声で一掃されました。また、保護者が生徒の時代(前身の苅藻中)から「先生への信頼」が絶大だったようで、先輩方が築いてくれた財産に助けられた気がしました。我々教員としては色々な反省はありましたが、2件とも学校が責任を問われることはありませんでした。
思春期の不安定な子どもたちは、こうした「死」を美化してしまうことがあり、直接交友関係がなくても、ちょっとしたきっかけで「自分も・・・」となるらしく、教育委員会からは校内の環境整備やスクールカウンセラーの緊急支援体制など、配慮していただきながら、昨年1年かけて学校としての体制を整えることができました。先日も命日に、当時の学年教員と共に三回忌に参り、現在、兄弟が長田中学校に元気に登校していることを聞かせていただき、ホッとしているところです。
中々したくてもできない貴重な体験をさせていただいた長田中2年間の勤務を終え、現在の指導主事の立場から、特に現役の大学生のみなさんに神戸市を広報させていただきたいと思います。神戸市は現在、166小学校、82中学校(うち2校に夜間中学の分校を設置)、9高等学校(うち3校が定時制)、6特別支援学校、1高等専門学校があります。今年度、初任研で担当させていただいている教員は小学校167人、中学校122人、高等学校9人、特別支援学校12人の計310人です。近年、大量退職(定年による)大量採用で神戸市教員の門戸は数年前よりずいぶん広がっています。ただ、この310人のうち広島大学・大学院卒業者は3人だけ。また、理科・数学・技術の教員が不足(倍率は約1.5倍)しており、平成26年度採用については、理科・数学は大学からの推薦があれば、一次試験は免除というシステムになるようです。(すでに大阪府・兵庫県は実施)
平成25年度の採用予定者は中学・高校採用が小学校採用を越える見込みで、今後数年はこの状況が続きそうです。神戸市の「人は人によって人になる」の教育理念のもと、有能な教員を募集しています。文科省からは教員免許の修士レベル化や初任者研修に関して教育委員会(事務局)と大学の連携などが示されており、課題は山積みですが、是非とも一人でも多くの広島大学生に神戸市教員の一員になっていただきたいと願っております。神戸へお越しの際は、JR神戸駅から海側ハーバーランド方面へ徒歩3分、鉛筆のモニュメントが出迎える神戸市総合教育センター4階の研修室へお寄りください。
では、最後に神戸市中学校体育連盟バレーボール部情報を・・・。現在、神戸市中体連に加盟している中学校は国立・私立中学校も含めると99校になりますが、そのうち、男子バレーボール部があるのは32校(新人大会)、女子が82校です。神戸市の県内のレベルとしては、男子は週5日制実施前まではトップレベルで全中にも毎年のように出場していましたが、ここ15年はよくてベスト4止まり、女子は県内では、ずば抜けたチーム数なのですが、1回戦を勝てばよい方で、ここ20年で一度だけベスト4に入った程度です。しかし毎年、神戸から全中へ!と意気込んでいます。特に来年は、密かに大きな期待を持っています。というのも、先日の神戸市新人大会男子の部で王塚台中学校が優勝し、兵庫県新人大会に出場します。そのメンバーに”多田家の最終兵器”三男の純輝(あつき)がいます。まだまだコートでモタモタしてチームの足を引っ張っている感じですが、2人の兄に負けず頑張っています。今のところまだ、大会での「多田ママ応援」が姿を現していないので、まだまだ夏の総体に向かってパワーアップすることと期待しています。どこが「兵庫県支部だより」??という内容になってしまいましたが、今後ともよろしくお願い致します。 |