この度、部外者の私がコートの仲間の執筆依頼を受け、大変驚いております。一度はお断りしようと思いましたが、私のような広島大学女子バレーボール部のファンが存在することも知っていただき、一人でも多くのバレーボールファンが増えればとの思いでお受け致しました。
まずは自己紹介をさせていただきます。私は広大がある東広島の西条で事業を営んでおります60 歳の男性です。若い頃はスポーツ万能…とは申しませんが、柔道・空手・ウエイトリフティング・バレーボール・スキューバダイビング等々、機会があれば何にでもチャレンジしていました。以前より全日本女子バレーボールのファンであり、彼女たちが東洋の魔女と呼ばれていた時代から、ほとんどの試合をテレビ観戦しています。もちろん男子バレーも圧倒的なパワーとスピードにとても迫力を感じますが、やはり拾って拾って拾いまくってラリーの応酬、そんな女子の試合にはより感動を覚えます。そんな私に、ひょんなことから広大バレー部の名セッターとの出会いがあり、一度応援に行ってみようと昨年の秋リーグ、岡山理科大学加計記念体育館へ友人と観戦に行きました。会場中熱気に溢れ、何か懐かしい雰囲気と緊張感、それと同時に新鮮さを感じ、不思議な感動を覚えました。試合は広大の圧勝でとても素晴らしいものでしたが、それに加えて試合前のウォーミングアップを、場外所狭しと実に楽しそうに、チームが一つになり飛び回っていた姿がとても印象的でした。それを見ていた私までもが笑顔になり、仕事で溜まっていたストレスがとても癒され、さわやかな気分になったのが今でも忘れられません。その時に隣にいらっしゃったA校の監督さんも「広大は楽しそうだな。」と感慨深げにつぶやかれていて、大学バレーは何か違うものがあると感じ、広大バレー部にとても興味を抱き、残りの全試合をすべて観戦しようと決意し、追っかけが始まりました。
昨年は、全日本インカレまでの試合を観戦させてもらいましたが、今年は五大学を除き、全試合を観戦させていただいております。おかげで部員の皆さんとも次第に親しくなり、様々な事情を耳にするようになりました。連日の猛練習、怪我、遠征費捻出のためのアルバイト、練習合間の教員試験の勉強、リーグ戦中の教育実習等々、プロになるためではなく、ただ「バレーが好きだから」という理由でここまでの努力が出来ることに、ますますの感動を覚えるとともに、心底敬服致しました。そういった背景も知った中、昨年の全日本インカレで福岡大に敗れ、涙をこらえ言葉も交わさず戻ってきた部員たち、今年の西日本インカレで福岡教育大に敗れ、大きな涙を流しながら「すいません、負けてしまいました。」と頭を下げていった姿は、今でも鮮明に脳裏に残っています。そしてこの度の快挙、天皇杯・皇后杯で大野石油に勝利した瞬間の、部員の皆さんや会場で応援をしていた関係者、父兄の皆さんの勝利の乱舞に、本当に胸が熱くなりました。こんな素晴らしい感動を、私だけに与えていただくのはもったいないとの思いから、今では事あるごとに広大バレー部の宣伝をしています。
このような素晴らしいバレー部を支えている橋原先生を始め、長谷川コーチ、河村コーチの皆さん方にとても感銘を受け、私もあやかりたいと思い、内緒ですが色々とノウハウを集めています。それと申しますのも、私の会社には広大バレー部員とほとんど年が変わらない女子社員が8名おります。立場は違えど、ある意味では橋原先生と同じ境遇にあるのではないかと思っています。当社の女子社員にも、広大バレー部の試合観戦から何かを得てもらいたいと、事あるごとに誘うのですが、今までに3名観戦させていただいただけです。写真を撮ったりして興味は持ったみたいですが…。私としましては、試合の内容だけではなく、一人一人生き方も考え方も違う、そんな部員の皆さんが「バレーボールが大好き」という思いから一つになり、怪我にも負けず、不平一つ言わず、青春真っ只中で輝いている姿に、ぜひとも触れてほしいと思っております。
天皇杯・皇后杯でのブロック予選優勝により、セミファイナルラウンドが広大で行われると聞きました。この機会に、全社員および関係者一丸となり応援させていただくとともに、広大バレーボール部のパワーを分けていただきたいと思っております。そして私が感動しながら見せていただいたバレー部員のドラマを共有出来たなら、最高の会社、最高の人間関係が出来上がることでしょう。
「ちな、あむ、とあ」君、追っかけもあなたたちの代で終わるつもりでしたが、来年一人しかいない4年生「まき」と、彼女を支える力強い後輩たちの姿をもう少し見ていたいので、また応援に行かせてもらいます。いつかの「あむ」君の「一度だけ応援に来てください!」の一言で、完全に術中にはまってしまった私です。でも大学バレーに出会わせていただけたことに、心より感謝しております。
最後になりますが、いつも私たちに勇気と感動とパワー全開の試合を見せていただき、本当にありがとうございます。橋原先生を始め、関係者の皆様、チームの皆様のますますのご発展とご多幸をお祈りし、感謝の言葉とさせていただきます。 |