コートの仲間第18号 OBからの一言


Click your color !
 
同窓会トップページに戻る OBからの一言(5)に戻る OBからの一言(7)に進む

得ることはあっても無駄なことはなし
52期 大山 幸恵
 10 月3日、2次試験の結果を橋原先生とともに確認したことを私は一生忘れないでしょう。半分諦めながら開いた教育委員会のHP に私の番号はありました。私自身、見間違いかと何度も目をこすりました。橋原先生にも確認していただくと「うそー!どしたん??」と、奇跡を目の当たりにした喜びなのか、何かの間違いではないかとも取れる疑いの一言が発せられました。しかし、その一言で見間違いではないことを実感し、喜びを噛みしめました。これから採用試験を目指して頑張る皆さんにアドバイスしたいとは思うものの、私自身なぜ合格出来たのか分からないので、これから書くことの中で何かヒントになるようなことがあれば良いなと思います。
 近年採用試験に合格されたOB の先輩方や知人をよく観察してみると、一つの共通点が浮かんできました。それは「たくさんの経験」です。もちろん筆記試験の勉強も大切なことですが、試験官は何よりもその人間がどんな人物かを見ているのだと思いました。この「経験」という一言だけ聞くと、現役生の皆さんは社会人経験などのことと考えるかもしれません。しかし、私が言いたいことはもっと広い意味での経験を指しており、良いことと同じくらい挫折することも経験しました。
 私の場合、大学卒業後の2年間、広島市内の私立学校で講師として勤務していました。そこでは毎日生徒と関わり、OB の先輩方からたくさんのアドバイスをいただけるという恵まれた環境にいました。実践的な経験を積むことによって、教員の喜びや苦悩を知る経験も出来ました。しかし、講師の契約が打ち切りとなり、学校を去る時、自分の力の無さや将来について不安になりました。実家に戻り、某予備校で採用試験の勉強にのめり込みました。私に足りないものは教職教養や専門教養だと思ったからです。確かに教育用語などの語句を覚えることが出来ました。やればやるほど目に見える形で結果もついてきました。しかし、その年の結果は不合格。理由は面接試験での成績が悪かったからでした。今までの私を否定されたようでショックでした。しかし、両親に言われた一言で目が覚めました。「何事も経験、経験。楽しまなきゃ時間がもったいないよ。」と。それから、今後のことを冷静に考えた時、私に一番向いているのは小学校ではないかと思い、両親を説得し科目等履修生になることを決めました。「私は必ず先生になる!でもその前に、今まで体験出来なかったことをしておこう。」と、スポーツジムで主婦や初老の方と汗を流したり、小学生バレーの手伝いやケーキ屋でのバイトなど、幅広い年齢層と関わることで新たな発見があり、学校現場では経験出来ないことを体験することが出来ました。
 合格した今だからこそ分かること、それはたくさんの人と関わり、経験することで、心にゆとりや余裕が出来、豊かな人間性が育つのだと感じています。これから採用試験を目指して頑張っている皆さん、必死になることも大切ですが、時間を見つけて出来るだけいろんなことにチャレンジして下さい。そのことはずっと先になるかもしれませんが、必ず生きてくると思います。採用試験合格がゴールではありません。私もスタートラインに立ったばかりです。今まで支えて下さった先輩方や仲間に感謝し、教師という仕事に邁進していこうと思います。

同窓会トップページに戻る OBからの一言(5)に戻る OBからの一言(7)に進む

Copyright (c) 2010 広島大学体育会バレーボール部 All right reserved.
赤 黄 緑 水 青 紫 灰 白 黒