「コートの仲間」に初めて原稿を書かせて頂きます,尾崎隆枝(34 期・くま)です。佐伯直之先生(23 期)からは「広島支部だより」ということでお話をいただきましたが,昨年度から通信制高校に勤務となり,試合等で先輩後輩のみなさまにお会いすることもほとんどなくバレーボール界の情報もありません。というわけで申し訳ないのですが,私の近況報告とさせていただきます。
現在私は,広島県内で2 校しかない県立の通信制,広島県立西高等学校に勤務をして2 年目になります。転勤が決まった時は,初めて全日制以外の学校ということで,授業や生徒の様子も全く想像できず不安がありました。しかしその反面,今までに経験のない学校に勤務できることを楽しみにも感じていました。そのように不安を楽しみにすることができたのは,広島県高等学校体育連盟事務局業務を通じて出会えた多くの方々のおかげだと思っています。
私が県高体連に関わることになったのは,西高校に転勤する1 年前(広島県立祇園北高等学校勤務),県高体連理事長の宮本先生から事務局長をやってみないかというお話をいただいたことからです。校長には「人から望まれて仕事ができるということはありがたいことだ」と快く後押ししていただき,どのような仕事かをよく知らないままお引き受けすることにしました。そして4
月から週3 日,県高体連事務局に勤めることになりました。すぐに各競技専門部の大会運営やインターハイに関わる業務,諸会議の開催に加えて,中国高体連事務局が広島県に10
年間置かれることになった初年度ということもあり多忙の日々が続きました。デスクワークばかりの毎日に,学校現場で生徒の指導をしたいと強く思うことが何度もありました。しかし,専門部委員長をはじめ多くの先生方が,大会運営や競技の普及のために,校務も多忙な中,自分の時間を削り専門部の運営に携わっておられる姿を見て,高体連事務局は生徒を支える大切な役割を担っていると感じることができるようになりました。さらにこの年は,フィギュアスケートインターハイを広島で開催することが決まっていて,広島県にスケート専門部がないため,県高体連事務局が運営に携わることになりました。実際の演技を見たこともない競技の,それも全国大会を運営するなんて本当にできるのだろうかと思いましたが,みんなで気持ちを一つにしてつくりあげ大会は無事終了しました。本当に貴重な経験をさせていただきました。大会後,全国スケート専門部など関係者のみなさんから温かい言葉をいただき,逆に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
このような気持ちが持てるようになったのは,高体連の業務に関わったからというだけではなく,理事長の宮本賢一先生(22 期)のおかげです。“いつも笑顔で!”“どんな仕事も楽しんでやろう”という先生と一緒に仕事ができたからこそどんなことも前向きに考えられるようになったと思っています。また宮本先生を通じて多くの方に出会い元気をもらいました。例えば,当時の勤務校のバレー部を「高原の家・七塚」合宿に誘っていただいたときには,恩師の西村清巳先生(9
期)とお会いして,バレーボールはそっちのけで長いも掘りやむかご採り,はや釣りなど大学時代を思い出すような野外活動三昧をさせていただき心が和みました。またそこには宮本先生や祇園北高校で一緒に顧問をしている坂本伸宏先生(36
期),加計高校の大信寿洋先生(45 期),広島大学の和泉浩基先生(53 期),現役の谷優香先生(57 期)小田勇矢先生(58 期)と同窓生がたくさん集まって,生徒も私も笑顔をたくさんもらって帰りました。(みなさんも庄原市の「高原の家・七塚」を訪ねてみてください。)
このような1年を過ごしてから西高校へ転勤しましたので,学校のシステムに戸惑うこともありましたが,すぐに授業や生徒会活動などさまざまなことを楽しむことができました。通信制も授業は学校で実技をします。しかし,生徒は何曜日のスクーリングに来るかはわかりません。500
人前後の受講生が登録している講座もあり,今日のこの授業に何人来るかわからないのです。つまり授業ごとに集団がかわるため継続的段階的に指導することは難しい状況です。また不登校の経験や生徒指導上の問題をもった生徒も多く,体育嫌いの生徒も多いので,授業はルールを守ることや体力の維持向上とともに,運動を楽しむこと「できた!楽しい!」という笑顔を目標にしています。そして,もっと大切なことは仲間づくりです。体育の授業で友だちになったという生徒も多いので,全校生徒数が千人以上いても全員が一同に集まることがない学校ですので,授業を通じて人間関係を深め,卒業に向けてともに歩んでいく仲間を見つけられるようにできればと思っています。バレー部も最近復活しました。昨年は部員0
人でしたが今年になって授業で声をかけて部員を集めました。5 月に3 人で練習を始め,10 月の大会には7 人で出場することができました。これからさらに部員を集めて,来年の大会にも出場できるようにがんばろうと思います。最後に今回このような機会をくださったことに感謝するとともに,現役のみなさんのますますの活躍をお祈りして終わりたいと思います。ありがとうございました。 |