コートの仲間第25号 OBからの一言


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卒業後に感じること
62期 池上 萌
 私は現在、広島市の中学校で教員をしています。現在は講師という立場ですが、この夏の教員採用試験に合格し、来年の4月からは広島市の中学校で正式に教諭として働くことになります。この半年間を振り返ると、経験したことがないことばかりであっという間に毎日が過ぎ去っていったように思います。1学年7クラスという大きな学校で、島根県の田舎町出身の私にとっては、広島の中学校ってこんなに大きいんだ…というのが最初の感想です。授業は1年生と2年生の女子の体育を受け持っていますが、生徒はいつも元気で明るくて、こちらが圧倒されないようにするのが大変です。思うように授業できず、反省したり、自分の無力さを感じて悩んだりすることも多いですが、生徒の「できたっ!」という声や、一生懸命取り組む姿にやりがいを感じています。また、バレー部にも副顧問という形で関わり、半分初心者のような子供たちにバレーを指導する楽しさと難しさを同時に感じています。
 最近、このようにあわただしくも充実した毎日を過ごすことが出来ることは幸せなことだと強く感じるようになりました。そのきっかけとなったのが8月におこった土砂災害です。広島市の安佐南区、安佐北区では多くの方が被災し、家族や住む場所を失われました。私の家は被害が大きかった地区からほんの数百メートルのところにあり、その被害を目の当たりにしました。災害当時、家の前の道路はどろどろ、公共交通機関も止まり、常に4台程のヘリコプターが上空を飛んでいるという、まるで戦場のような光景でした。ちょうどその日は、広島県教員採用試験の二次試験当日で、とても複雑な心境で試験を受けたことは、一生忘れないと思います。この災害を通して、今自分が教員をできること、バレーボールを出来ることは当たり前のことではないのだと改めて感じることが出来ました。そして、この年に採用されたからには、子どもたちに今を一生懸命生きることの大切さを伝えていきたいと思います。
 そして今、大学4年間を振り返ると様々な経験と多くのものを得ることが出来ました。なにより大切な仲間と出会うことが出来ました。迷ったとき、悩んだときに支えてくれた同期。何時間も自主練に付き合ってくださり、あたたかくときには厳しく指導してくださった先輩方。いつも笑わせてくれたり、元気をくれたりした後輩。バレー部を支えてくださったOBの皆様、先生方。こうした方々の支えがあったからこそ、バレーボールと真剣に向き合い、多くの貴重な経験が出来ました。広大バレー部という場で、バレーボールを出来て本当によかったと思います。この出会いに感謝し、今後もこのようなつながりを大切にしていきたいと思います。
 最後になりましたが、今回コートの仲間の原稿を執筆する機会を与えて頂き、ありがとうございました。拙い文章で大変申し訳ありません。
 今後も、広島大学バレーボール部の益々のご活躍をお祈りしています。

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