平成15 年度入学生の小川、松野、青木が引退し、新年からは林が主将となり新たなチーム作りがスタートした。春の合宿では新1年生3人が加わり、センターに速さとキレのある東口と、やや浮かしめの速攻で高さの光る川端、そして昨年までライトであった谷がレフトへ転向し、ライトにはオールラウンダーの内原が入り、チームを固めていくことになった。
迎えた春リーグ、高崎はセンター中心のトスワークを展開した。リベロ林の安定した返球から絶好のコンビが多く決まり、次々に点数を重ねていった。しかし、課題であるサーブとサーブカットが崩れると思うようにゲーム展開を運ぶことが出来ず、雰囲気も悪くなり、イージーミスを連発するという悪循環に陥った。それでもチームは試合を重ねるごとに安定感を増していき、広大のカラーが確立してきた。谷のバック3ローテに山本や小倉が入りチームを盛り上げるなどし、全試合1セットも落とすことなく優勝を収めた。
中四国大会では、昨年度優勝のため決勝トーナメントからの出場であり、高松大学短期大学戦、広島修道大学戦は終始広大のペースだった。多彩な攻撃で相手を圧倒し、難なく準決勝へと駒を進めた。その準決勝となる愛媛女子短期大学戦では、広大の課題であった“出だしの悪さ”が出てしまい、相手に連続失点を許した。しかしここで内原のテクニックが光り、流れを取り戻した広大は、川端、東口のセンター線を上手く機能させ、さらに谷、野口のパワフルなアタックによって確実に点を取り、そこからは危なげなく試合を運んでいった。決勝の福山平成大学戦では、林を中心とした粘りのあるレシーブや、広い体育館を十二分に生かしたサーブで相手を崩し、最後は谷のアタックが相手コートに突き刺さり、完全優勝を果たした。
本拠地広島で行われた西日本インカレ。昨年度は準優勝という成績を収め、今年度は上半期の目標を西日本インカレ優勝に定め、練習に励んできた。しかし、直前にレフトの谷が右足を捻挫し、万全の状態で臨むことは出来なかった。予選での桜花学園大学戦は圧勝し、決勝トーナメントはシードのため2回戦の徳島文理大学戦からの試合となった。この試合は順当に勝利を収めた。続く3回戦の天理大学戦では、内原のブロックやサービスエースの連続得点で勢いに乗ることが出来た。相手は時折見せる力強いスパイクで対抗してきたが、それにも勝る川端の豪快なスパイクが決まり、広大は流れを確実に掴んだ。その後も東口の速い速攻などセンター陣の活躍や、高い打点からの谷のスパイクとブロックが要所で決まり、試合を決定的なものとしていった。ベスト4進出をかけた準々決勝は福岡教育大学との試合となった。広大は、持ち前のサーブで相手を崩そうとしたが相手のサーブカットは乱れず、思うように試合展開を運べないまま、長い接戦の末第1
セットを落とした。第2セットは序盤からサーブが走り、センター陣による多彩な攻撃や野口のスーパーレシーブにより、セットを奪い返した。第3セットの出だしは相手のスパイク、ブロックが続けて決まり、流れを奪われてしまう。その後、内原のサービスエースや谷のブロックが炸裂するも、相手を崩しきれないまま1対3で敗れてしまった。それぞれがこの悔しさを忘れず、下半期で結果を出すために、練習をより濃い内容のものにしようと考えた。 |