平成16 年度入学生の林、高崎、山本が、正月に行われた天皇杯・皇后杯での久光製薬との対戦を最後に引退し、谷を主将とした新しいチーム作りが始まった。春合宿からは168
pと上背のあるセッター本田と、ブロックの間を抜くスパイクが魅力なサイドプレーヤー巳之口が加わった。昨年の夏に膝の靭帯を損傷してしまったセンター東口が、まだ完全復帰とはいかないので、谷がセンター、野口がレフト、小倉、日笠を交代でリベロとした形や、山崎が東口の代わりにセンターに入ったりするなど様々な形で練習試合を行い、チームを固めていった。
春リーグは、1部に昇格したばかりの環太平洋大学との試合から始まり、出方の分からない相手ではあったが、サーブ、スパイク、ブロック、レシーブ全てで相手を圧倒し、その後も危なげなく1
週目、2 週目と全てストレート勝ちした。今年は、レフトからリベロへ転向した野口が東アジア選手権に出場するため、リーグ3 週目は日笠と小倉がリベロに入っての試合となった。広島文化短期大学との第3
セット目中盤に、ライト巳之口の足がつってしまうというアクシデントがあったものの、相手の攻撃に対してレシーバー陣が粘りを見せ、点差を守り、巳之口が戻ってくるとそのまま逃げ切った。最終日の福山平成大学との試合では、こちらのミスから相手にリードを許してしまい、最後はサービスエースを決められ、第2
セットを落としてしまった。しかし、その後はしっかりと立て直し、辛くも全勝で優勝することが出来た。
中四国大会は、昨年度優勝のため決勝トーナメントからの参戦となった。見事5 年連続優勝を果したものの、まだまだ荒削りなプレーが多く、大事なところで自らミスをしてしまうという場面が目立った。自分達に流れがある時は元気一杯にコートを駆け回るものの、攻撃が通らなくなるとダラダラとした試合展開をしてしまい、なかなか悪い雰囲気を自分達の力で断ち切ることが出来ない。コート内の半数以上が1、2
年生で構成されている若いチームであるが故の脆さが浮き彫りとなった大会であった。
国体への出場をかけた広島県予選は、大野石油との一騎打ちであった。第1 セットを27 対29 で落としたが、第2 セットは負けじと29 対27
で取り返す。第3 セット、第4 セットと、緊迫した一進一退の攻防が続く中、川端の力強い速攻や巳之口の鋭いスパイクが相手に主導権を渡すことを許さず、最後は谷の丁寧な二段トスをレフト野口が力一杯相手コートに打ち込み、見事広島県代表の座を手に入れた。嬉しさのあまり、橋原監督を含む全員が肩を抱き合い喜んだ。
今年の西日本インカレは兵庫県で行われた。島根大学が棄権したため、グループ予選が免除され、決勝トーナメントからの参加となった。トーナメント2
回戦から出場の広大の相手は、ここ3 年間インカレで敗北している福岡大学であった。相手の重く鋭いスパイクを止めることが出来ず、1、2 セットを続けて落としてしまったが、主将谷の絶対に負けたくない気持ちがこもった喝が、チームの雰囲気を一変させた。そして、その後のセットをもぎ取り、因縁の相手に勝利を得た。トーナメント3
回戦の相手は愛知学院大学との試合であった。広大の攻撃は相手の長身を生かしたブロックに阻まれなかなか決めきれず、逆に向こうのセッターが繰り出す速い攻撃に、こちらのブロックが対応できず1、2
セットを獲られてしまった。後がなくなった広大は、第3 セット、センター川端とレフトの野口を中心に点数を稼ぎ相手をリードしていた。そんな中、中盤ライトの巳之口が右膝の靭帯を損傷するというアクシデントがチームを襲った。代わりに小倉が入り攻撃力は巳之口よりも劣るが、気持ちで相手を上回った広大は序盤のリードを守りきりセットを獲った。第4
セットはお互い1 歩も譲らない展開だったが、最後に相手にサービスエースをとられ23 対25 で負けてしまった。一人一人、自分の役割と責任を見直す大会となった。
山口で行われた国体中国ブロック大会は、山口選抜のクラブチームきららとの対戦となった。何回か練習試合をしたことがあるチームであり、相手のことを良く知っていたのだが、なかなかリズムを作ることが出来ず、攻めきれないままフルセットの末敗れた。 |