今年の五大は島根で行われた。みんなでバレーを楽しもうと臨んだ試合は、主将の谷が腰を痛めていたために山崎がレフトに、リベロには戸石という布陣で戦った。各セット、山崎のバック3
ローテに小倉、小島、松本が交代で出場しチームを盛り立てた。また、岡山大学、山口大学、鳥取大学との試合の2 セット目は、ライト内原の代わりに西川が出場した。山口大学との対戦で西川は、スパイク決定率100%という目覚ましい活躍をみせた。大会は、全てストレート勝ちで優勝することが出来た。バレーを楽しむという原点を再確認し、これからの試合に向けてのスタートとなった大会だった。
去年はセミファイナルラウンドまで勝ち進んだ天皇杯・皇后杯。今年の中国ブロック予選は、リベロに戸石、センターに谷と川端という形でチームを構成し挑むこととなった。万全の態勢とは言えなかったものの、消極的なプレーが続き、終始どこか受け身の状態であった。フルセットの末、誠英高校を敗り、決勝の大野石油戦へと臨む前にもう一度みんなで気合いを入れ直した広大は、粘りのあるレシーブや、センター線の力強い攻撃でチームを盛り上げるが、それを上回る相手の気迫溢れるプレーに押され、惜しくも中国ブロック予選敗退となった。
秋リーグ直前の練習中に、川端がアキレス腱を断裂、山崎が膝の靭帯を損傷とケガが相次いだ上に、例年通り4 年生である谷は教育実習が重なり十分な練習が出来ないなど、今までで一番厳しい状況で秋リーグを迎えることとなった。日笠がリベロに入り、センターに谷と東口、ライトに西川を入れ、秋リーグでの試合を積んでいくと共にチームを作っていくという状態であった。相手に攻撃パターンを読まれる、センターの攻撃が合わない等と思うようにゲームを進めることが出来ず、環太平洋大学には2
セットを奪われ、福山平成大学には負けを喫してしまった。優勝を逃すわけにはいかない広大は、丁寧で確実なプレーを心掛け、みんなで必死にボールを繋いだ。相手のブロックを弾き飛ばす野口のスパイクや相手の穴をつく内原の攻撃が要所で光り、本田のトスも冴え、ようやく広大らしさを取り戻してきた。無事勝利を収めた広島文化短期大学戦は、広大の意地とプライドを見せつける試合となり、なんとか優勝を守りきることが出来た。
広島県インカレでは、秋リーグで負けを喫した福山平成大学にもストレートで勝ち、優勝した。悔しい負けを経て、自分たちの課題と真っ正面から挑み、インカレに向けて詰めてきた成果が現われた価値ある大会となった。
「絶対に後悔する試合はしたくない。自分たちの力を出し切って、笑顔で終わろう。」という一人一人の強い意志を確認し合い、いよいよ今年最後の大会となるインカレに臨んだ。一戦一戦を大切にし、数年ぶりにベスト16
まで勝ち進んだ広大は、ベスト8 をかけて東の強豪、青山学院大学へ挑むこととなった。第1セットは相手がミスを連発し、逆にこちらは確実なプレーで点を重ね、広大らしく元気溢れるバレーを展開し、自分たちの流れを作っていった。25
対15 で第1セットを奪い、このまま勢いに乗りたい広大であったが、簡単にそうはさせないのがやはり強豪青山学院大学。2 セット目以降は、相手の粘りがあり且つ正確なレシーブから繰り広げられる速い攻撃にリードを許し、なかなか点差を縮めることが出来ない。しかし広大は引けを取ることなく、常に攻めの姿勢で挑み、点を取るたびに全員で心から喜んだ。このまま終わりたくないと誰もが望んだ第4セットの24
対17 の場面。ネットインした相手のサーブにカットがわずかに乱れた。それをフォローしたセッター本田は、この1年の中で一番と言える最高のトスをセンター谷に上げた。トスを呼び込んだ谷の、4
年間の想いと気迫がこもった一発が相手コートに突き刺さり、その瞬間、広大全員の笑顔と喜びが弾けた。気持ちで粘るもあと一歩及ばず、試合は負けてしまい、ベスト8
には残ることが出来なかったが、自分達の力を出し切りチームが一つとなった最高の試合でインカレを終えることが出来た。ポジション変更が続くなど厳しい1年を経て、来年は更に上を目指し、新チーム作りに励んでいきたい。 |