コートの仲間第19号 OBからの一言


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懐かしき福山分校
27期 奥村 和幸
 早いもので広大福山を卒業して30 年が経とうとしています。あっという間の30 年でした。今の現役生には分からないかもしれませんが、広大福山とは広島大学教育学部福山分校のことで、教育学部高等学校教員養成課程の体育科・音楽科・家庭科の3 科から成っておりました。入学して1 年間は広島市千田町の本部で一般教養を学び、必修単位を取った上で2 年次から福山での生活がスタートします。広大が東広島に移転し、福山分校も廃校になり久しく経ちますが、当時の私達には、福山分校に対する愛着と福山分校で学ぶことへの誇りというものがありました。バレーのユニフォームの背中に「広島大学」ではなく「広大福山」と刺繍することにプライドを持っておりました。2 年次から福山分校に行くことを「帰福」と言って、やっと福山に帰れるという意味であったことも覚えています。
 福山での生活は、学業と部活動の両立どころか、バレー中心の生活になってしまいました(私に限って)。実技の授業とバレーの練習には欠かさず出ましたが、一般教養や教室での授業はよくさぼったこと。しかし先生方の温かいご配慮で単位が頂け、無事卒業出来たこと。中学校教員になれたこと。徹マンをやって近所から苦情が出てアパートの大家さんに叱られ、お詫びに回ったこと。妙見神社の最後の階段が地獄だったこと。体育専門の学科が持つ施設でありながら一部瓦葺きの前近代的な立派な(?)体育館で汗を流したこと。飲んでハメをはずし後輩に「蛍おどり」をさせたこと。信頼できる先生方や先輩方に出会えたこと。等々、学生時代にしかない貴重な体験と財産を頂きました。福山で過ごした3年間、バレーに打ち込んだ3 年間を思い起こす度、そしてバレーの仲間、先輩方、後輩と出逢う度、青春を思い出し、若返ることが出来るような気がします。あの3 年間は、30 年経った今でも気持ちだけでも若くさせてくれる妙薬になってくれています。(裏を返せば、昔を懐かしむ=老いの表れかとも思います)
 今は、福山分校でも本部でもない全ての学部の学生からなる新しい「広島大学バレーボール部」として活躍されていることを大変嬉しく思っております。バレーを愛する全ての学生に開放されたクラブであってこそ大学バレーの発展に繋がるものと思います。さらに同好会ばやりの今日、体育会所属の部として活動し続けていることに価値があると思います。部員の確保、遠征費をはじめとする部運営費の捻出等、問題はたくさんあると思います。しかし、同好会では得られない、「よこの絆」と「たての絆」、そして「伝統」がそこにはあります。「たて」も「よこ」もすべて『コートの仲間』です。
 現役生の皆さん、高い目標に向かって日々精進されることを願うとともに、バレーボールという競技を通して、マナー・ルール・コミュニケーション能力を培って頂き、地域・社会に役立つ人材となられよう期待しております。私達広島大学バレーボール部OB も皆さんの活躍を心より願い、応援致します。頑張ってください。

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