コートの仲間第19号 OBからの一言


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感謝
56期 山本 葵
 先日、突然後輩からの電話。内容はコートの仲間の原稿依頼の話でした。あのコートの仲間に私の文章なんて!!と思い、「自分が書いたものなんて、恥ずかしくてお見せ出来ない」と、お断りしようと思ったのですが、大学での経験、今の心境等を素直に私なりに書いてみようと思い、このお話を受けさせて頂きました。見苦しい文章もあるかと思いますが、読んで頂ければ幸いです。
 現在私は広島市内の小学校で、先生としての日々を送っています。4 年生の担任を持たせてもらい、「教師1 年目の私が、この子達に教えてあげられるものは何だろう」と自問自答し、日々の子ども達の姿に一喜一憂する毎日を過ごしています。経験の少ない私にとっては半年以上経った今でも、毎日新しい発見があり、毎日山ほどの課題を自分自身に感じています。授業後の子ども達の頭の上の?マークを見て、「今の教え方はまずかったかな〜」と反省したり、子どもを叱った後、もっと別の指導の仕方があったのではないかと後悔したりなどと、楽しい気分のまま家へ帰る日はほとんどありません。でもいくら落ち込んでも、いくら自分の無力さを感じても、子ども達は毎日変わらない笑顔で接してくれ、こんな私を慕ってくれます。そんな子ども達を見ると、自然と元気になれます。こちらが頑張っていることを小学生でもちゃんと感じてくれます。そして子ども達も頑張ってくれます。私は、子ども達とこんな風にお互いを高め合っていける生活に、今大きな充実感と楽しさを感じています。そんな毎日を送れているのも、広島大学バレー部としての4 年間の経験が、私にとても大きなものを残してくれたからだと思います。
 私は大学での4 年間で、それまで経験していなかったことを経験しました。それは、控えの選手になること。広大バレー部に入部して初めて、レギュラーに入れない悔しさと苦しさを経験しました。もちろん自分の技術の低さも痛いほど感じましたが、それ以上に、頑張りどころで頑張れない、情けない自分を感じました。ここで挫け、バレーをもし辞めていたら、私は今こんな充実した毎日は送れていないと思います。私がそこで挫けなかった理由は、バレーが好きだという気持ちと、何より支えてくださった周りの方々のおかげです。いつも励ましの言葉を掛けてくださった先輩方、元気なプレーで、私に「頑張らなければ」と思わせてくれた後輩達。こんな私を必要としてくださった先生方。そして中でも、私と同期の仲間には本当に支えてもらいました。私の気持ちが引いた時、プレーや態度でぐいぐい引っ張ってくれ、何度もおしりを叩かれました。思うようなプレーが出来ず落ち込む私の姿を見て、いつも同じ目線で相談に乗ってくれました。こんな支えがなければ、私は努力もしないまま諦めていたと思います。4 年間バレーを続けることは出来なかったと思います。私に努力する気持ちを持たせてくれた仲間に本当に感謝しています。そして、その時に感じた仲間の大切さや、努力することの大事さが、今の私の教師としての生活にとても活かされていると感じます。
 また、今まで私が気持ち良くプレーしていた影で、悔しく苦しい思いをしながら頑張っていた選手もいたということにも、大学でのバレー生活で気付かされました。自分のことだけでなく、周りの頑張りや支えにも目を向けなければいけないということを学びました。このことは、いろんな子どものいろんなところに目を向けるという、今私が一番大事にしていることに繋がっていると思います。
 私が今、教師としてなんとか頑張れているのは、このような経験があったからこそだと思います。正直、大学でのバレー生活は楽しいことばかりではなく、辛かった時期もありました。でも、一番いろんなことを感じながら、一番自分を成長させることが出来た時期だったと思います。このような経験をさせてくださった先生や、先輩方、仲間に、本当に感謝しています。そして、このような経験をしたからこそ、子ども達に伝えられるものがあると私は思います。これからの教師生活で、一つでも多く子ども達の心に響くものを残せるよう、日々頑張っていきたいと思います。

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