2009 グランドチャンピオンズカップ男子大会(グラチャン)が大阪と名古屋で開催されました。
開幕の地となった大阪では、世界連盟の役員や審判員が大会4日前から入り、審判関係は大阪大会地元審判委員長の伊藤博之先生(22期)を中心に会議、審判講習会(理論と実技)等が行われ、試合は2日間だけでしたが、大阪の役員関係者にとっては大変な一週間でした。
私自身は審判員として参加させて頂き、男子大会の全ての日程に参加させて頂きました。
この大会では、皆さんもご存知のとおり、男子が銅メダルを獲得したのは言うまでもありません。しかも4大大会(グラチャンバレー、ワールドカップ、世界選手権、オリンピック)では1977年のワールドカップでの銀メダル以来32年ぶりのメダルとなる快挙でした。
バレーボールが東京オリンピックで正式種目となって以来、1960年代、70年代は男女ともメダルを数多く獲得していましたが、バレーボールが世界に普及し、多くの国がバレーボールに力を入れるようになってきて、日本もメダル獲得が難しくなってきているのが現状です。
私自身も審判員として海外での各種国際大会に毎年参加させて頂いている中で、日本人の体格的なハンディは間違いなく大きなものだと感じていました。身長はもちろん、パワー等は外国人に比べると大きな差があります。大会初日のスタメン平均身長は下記のとおりです。
1位 ブラジル 200cm <南米優勝チーム>
2位 キューバ 202cm <北中米優勝チーム>
3位 日本 191cm <開催国>
4位 ポーランド 201cm <ヨーロッパ優勝チーム>
5位 イラン 198cm <アジア2位チーム(日本が1位のため)>
6位 エジプト 198cm <ワイルドカード;FIVB推薦>
今回、参加していない他の国のスタメン平均身長も、日本以上の国がほとんどです。 平均身長が10cmも高い相手にバレーをするのは、それだけでも大きなハンディになり、普通なら勝ち目はありません。
近年はどの国もバレー技術、トレーニング方法、スカウティング能力とも上がってきて、ほぼどこの国も同じようなコンビバレーをするチームばかりです。そんな中で日本男子がメダルを獲得したのは私自身も大きな感動でした。
@ 強いサーブをレシーブしサイドアウトを取る。
A 相手の攻撃をブロックに当ててチャンスボールをとり、早い攻撃で切り返す。
B 強打に対して粘りのあるレシーブ。
C 甘い攻撃は確実にブロックでポイントを取る。
特に目立った戦術や技術があったわけではなく、当たり前のことを他のチームよりも明らかに確実に高い精度で大会中持続できた結果だと思います。もちろん、私が気づいていない戦術や技術があったのかもしれませんが・・・。
新日鐵堺で行われた直前合宿に行ったときに、監督も含めたチーム全員が大きな声を出し厳しい練習をしていると感じました。また、植田辰哉監督と話をする機会があった時も次のようなことを言っておられました。
「個々の選手がやるべきことをすれば上位に食い込むチャンスは十分にある」と。
自分自身ももう一度、基本に戻って頑張ってみようと感じた大会でした。 |