コートの仲間第20号 OBからの一言


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近頃のバレーとの距離
34期 岩田 政久
 本校には女子のバレー部があるだけで男子部はありません。しかも先輩教諭(広大卒)に顧問をお願いしている関係で、私は全面的に校務に専念させて頂いています。役員としてバレーの大会運営には携わるものの、日常の中でボールに触れる機会はなくなってしまいました。また、二人の愚息(中3と中1)はバスケット部に所属しており、かつてのマイケル・ジョーダンや現在のレブロン・ジェームスの勇姿を追いかける毎日で、DVD・ポスター・雑誌も全てバスケ物ばかりです。私の生活からバレーの影がどんどん薄くなってきています。寝ても覚めてもバレーに打ち込んでいた日々からはとうてい想像できなかった生活です。でも、これが現実。社会生活において歳を重ねるということはこんなことかと、実感している今日この頃。全国の先輩や後輩の皆さんのご活躍を耳にしながら、うだつの上がらない自分のために言い訳を探している初老の男です。
近況と回想
36期 小川 昇二郎
 「とんでもない世界に入ったものだ。」平成19 年4月、現在の職場、福岡県教育委員会体育スポーツ健康課(当時はスポーツ健康課)に異動した当初、そう思いました。それまでは、30 期の篠原一洋先輩(現在県立光陵高校の教頭先生)の後を受け県立早良高校に11 年間勤務しておりました。皆さんもよくご存知のように、11 年間も同じ学校にいれば、お山の大将のような気分になるもので、「もう大体学校のことは何でもわかっている。何でも私に聞いてください。」そんな勘違いを含めた居心地の良い状態になっていました。そのお山の大将が一転、教育委員会の縦社会の中に放り込まれて、天国から地獄へと突き落とされたような状況でした。そこでの特に一年目の経験は、例えて言うなら、大学(広大福山)時代の2年生以下、もっといえば中国五大学対抗戦の時に広大本部チーム所属の教体1年生が、福山分校チームの2〜4年生と一緒に遠征合宿に参加した時の状態が毎日続くかのような日々でした。そのような日々をなんとか健康も害さずに奇跡的に乗り越えて、現在3年目になります。
 現在の職場での業務内容は、学校体育、運動部活動、子どもの体力問題、健康教育、安全教育、学校事故等に関わる内容で多岐にわたっております。これまでに学校で経験したことがどれだけ業務に活かせるかというと、感覚的には「ほとんどない」という感じです。県全体の学校を相手にした業務を進めていく上で、自分のこれまでの経験は、県内の保健体育科教諭一人の参考意見にしかならないのです。そういう個人的な考えを業務に反映させてしまう部分が、当初は頻繁に上司から厳しく指摘され、大学最下級生時のように、いやそれ以下に精神的に痛めつけられました。教育委員会等の職場は、多くの先輩方が経験されたことと思いますが、それまで学校現場でのほほんと過ごしてきた私の場合はこのような感じでした。
 そのような状況を喘ぎながらも何とか乗り越えられ、現在があるのは、自分自身の中にある「意地」なのかなと感じています。この「意地」という名の精神的エネルギーは、幼少期から学生時代までに基礎が作り上げられるものだと私は考えています。一人の人間として成長する過程で、肉体的・精神的に追い込まれ、それを乗り越えた経験やそこから得られる感動経験を数多くしていればいるほど、社会に出て新たに直面する障壁を乗り越える力が備わるものだと考えています。そして、自分自身が小中高等学校、そして大学を通して得たこのような経験こそが、私が教員を志す動機になったものであり、教員として生徒達に一番伝えたいことなのだと、この転勤を機に改めて確認することができました。
 今後は、現在の職場での様々な経験を踏まえて、学校現場に復帰した際には、もう3年近く離れているバレーボールの指導を含めて、よりパワーアップした教育活動を展開したいと考えています。
 学生諸君は卒業後のことを考えると、不安がたくさんあるでしょうが、今は、困難な状況を乗り越えられるだけの力を自分自身の中に蓄える時期だと考え、バレーボールはもちろん勉強や様々なことに励んでください。バレーボールというスポーツは、競技を通して人を成長させてくれるスポーツだと思います。例えば、「チーム(組織)のために自分がどのように行動すれば良いのか」「次にプレーするチームメイトのためにどれだけの気遣いができるか」など、競技の中に、人間としての「生き方」を学び、教えることができる要素がふんだんに盛り込まれているからです。その素晴らしいスポーツと出会えた幸運を感じながら、練習を通して人間性を高める努力をして頂きたいと思います。そして厳しい勝負の世界を共にし、喜び、涙した仲間をずっと大切にして頂きたいと思います。
 振り返ってみますと、私のこれまでの人生は、どの年代においても仲間に恵まれていたと思います。大学時代は、33 期(合田正典主将はじめ6名)、34 期(岩田政久主将はじめ4名)、35 期(成瀬卓主将はじめ6名)のそれぞれ個性的で威厳のある先輩方に厳しくも温かく鍛えられました。この場をお借りしてお礼を述べさせて頂きます。ありがとうございました。
 それから、36 期の仲間には、本当に支えられました。よく全員が誰かのアパート(若竹荘を除く)に一緒に集まり、酒を飲みながら愚痴を言い合い、励まし合い、翌日の練習に行く勇気を奮い立たせたものです。
 この機会に36 期の愛すべき同期生の紹介をさせて頂きます。皆それぞれの分野で活躍していますから、次回以降原稿を依頼してみてはどうでしょう?

 周山泰之:副キャプテンとして実に楽天的に、それでいて細やかな気配りで、チームを支えてくれました。平成23 年「おいでませ!山口国体」に向けて山口県教委で頑張っています。
 織本昌朗:身長191cm の超大学級のプレーヤー(ちょっと言い過ぎ?)にもかかわらず、驕らない謙虚な態度で熱心に練習に取り組む素晴らしい人間性の持ち主でした。現在は、岡山県立玉野光南高校女子バレー部を連れて、よく福岡中洲?に来ています。
 諏訪部淳:セッターとしての高い実力がありながら控えの選手として、それでも強い意志を持ち、寸分も手を抜かず、前向きに最後まで取り組んでいました。それが現在の島根県から全国に名を轟かす名指導者ぶりに繋がっているのだと思います。
 高田学峰:宴会でのプロ級の芸人ぶりが目立っていましたが、脚の金属も外れ、怪我から完全復帰した4年時のリーグ戦での華々しいデビューは忘れられません。体操部の後輩の「みっちゃん」と結婚。
 玉田龍治:3年時に、レギュラーとしての期待と重圧に苦しんで、「バレー部をやめたい」と漏らし、たまらずコンビニに退部届の様式を探しに行ったことがあったっけ?現在は企業で頑張っています。

 今でも会えば、昔のままの関係にすぐに戻れる本当に素晴らしい仲間と出会えたことに感謝しています。それから、わがままなキャプテンであった私を支えてくれたことに重ねて感謝しています。
 最後になりましたが、広島大学バレーボール部同窓会の皆様の、今後益々の御活躍をお祈りしております。

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