平成18年度入学の野口、戸石、小倉、小島が全日本インカレのベスト8を賭けた東京女子体育大学との対戦を最後に引退し、主将内原を中心とした新しいチームでの1年間がスタートした。新入生にすばやい攻撃を得意とするセンター池上、冷静にコースを打ち分けるスパイクと安定したレシーブを兼ね備えたレフト森本、広大の新たな元気印池浦を加え、「全員で、楽しく、シンプルに」チーム作りを行っていくこととなった。
レシーブの要であった野口が引退したことでサーブカットなどレシーブに不安があったが、春合宿からチームに合流した森本が安定したレシーブ力を発揮し、難しいボールでも食らいつく迫力あるプレーでチームを盛り立てていった。サーブカットがうまくいけばつながりが生まれ、攻撃に結び付けることができるため、安定したサーブカットが課題となった。そんな中、エース内原がゲーム中に捻挫し練習に参加することが難しくなった。
内原を欠いて迎えた春リーグ。1週目は内原の代わりに森本が入り、リベロを日笠として試合に臨んだ。自分たちからミスを生み、そこから相手に連続得点を与えるといった場面が多々見られ、ミスした後の切り替えが課題となった。2週目は内原が怪我から復帰し、森本をリベロに入れ試合に臨んだ。要所でセッター本田に代わりブロックが武器の東口を入れたことで前衛が強化され、相手の攻撃を封じることができた。3週目はセンター川端に代え東口をスタメンで起用し試合に臨むこととなった。迎えた広島文化学園短期大学との決勝戦。好調であった東口がブロックし着地した際に右膝前十字靭帯を負傷し、代わって新入生の池上が入った。苦戦はしたもののフルセットで勝利し、優勝することができた。自分たちのミスから連続失点を生むこと、出だしが悪くなかなか自分たちのペースが作れないこと、相手にすぐ対応することができないこと、決定力不足など多くの課題が見つかったリーグとなった。リーグを終え、新たにバレー初心者で熱い気持ちをもった横本、トルコ出身のフーリヤが加入し、広大バレー部に新たな風が吹いた。
春リーグ中にセッター本田が手首を負傷したため、本田をリベロに、ライトアタッカー伊東をセッターに置き中四国大会に臨むこととなった。昨年度優勝のため決勝トーナメントからの出場となった。伊東の早いトス回しで今までと違うリズムが生まれ、相手を揺さぶりながら攻撃につなげることができた。レフトアタッカーの巳之口がライトに入るなど、いつもとは違うポジションでゲームを行い、それぞれが経験を積んだ試合となった。
メンバーの状態が万全でない中迎えた国体県予選では大野石油広島オイラーズと対戦した。センター川端・木下を中心とした攻撃で相手に攻め込むものの、苦しい場面でなかなか踏ん張れず、1
セットも取ることなく惨敗を喫した。春リーグからの課題であった相手への素早い対応がこの試合でもできず、連続失点につながった。ここでの負けを無駄にすることなく西日本インカレにつなげようと強く感じた試合となった。
昨年度準優勝のためシード権をもらい決勝トーナメントからの出場となった西日本インカレは、兵庫県で行われた。神戸学院大学との初戦は硬さが見られたもののなんとか勝利し、西南女学院大学との試合を迎えた。この試合ではブロックが機能せずワンタッチを取られる場面が続き、勢いのある相手に対し終始自分たちのペースが作れなかった。1セット目は取ったもののその後セットを取れず敗北するという不甲斐ない結果に終わった。追いつめられる展開の中で一人一人が孤立し、チーム内でコミュニケーションがとれず、チームとしての力が最大限に発揮されずに終わってしまった。自分たちのこれまでのやり方では甘かったのだと再確認し、半年後にある全日本インカレに向けて、残された時間で技術的にも精神的にもそれぞれが強くなっていかなければならないと感じた試合であった。 |