2011年、新年を迎えた男子バレー部は春からの飛躍へ向け、1年間の土台作りとしてトレーニングを多く取り入れた練習からスタートした。平成19年度入学生の深海、西、高草、小椋が抜け、練習でも試合でも常にチームを引っ張ってきた存在の穴を埋めるべく、平成20年度入学生前田、小熊、赤崎、岩浦、牛島が中心となって選手・スタッフ共に日々の練習に打ち込んだ。広島県内の高校や県外の大学との練習試合、遠征にも出かけて春へ向けてのステップアップと試合経験を積んでいく中、昨年度からコートに入っていた景山・上垣の負傷、春先のインフルエンザなど様々な障壁が立ちはだかった。
4月に入ると新入生の奥野・軍神がチームに加入し、大学院へ進んだ西・小椋をコーチに迎え新体制がスタートした。新体制では主将の前田をライト、レフトには景山・上垣、センターに小熊・立花、セッターに江藤、リベロに出来尾を置き、若さと爆発力を秘めたポジション構成となった。迎えた春季リーグ戦の初戦、今後1年を通してリーグの順位を左右する相手となる島根大学と戦った。前田・景山を中心に攻撃を展開し、春からスタメンとなった江藤・立花のムードもあってチームは終始盛り上がりを見せ、接戦となったがストレートで相手を降すことができた。続く東亜大学との一戦でも序盤の走り出しで1セットを奪い、試合は落としてしまったものの新チームはいいスタートを切ることができた。岡山大学戦では新リベロの出来尾を中心に粘り強くボールを拾い、フルセットの接戦となったが「勝つ」ことへの絶対的な執着心を見せ3-2で押し勝った。2週目の島根大学戦は前年の結果も受けてより気持ちの入った試合となり、小熊の幅を使った移動攻撃や前田の軟打も交えた揺さぶりなどで攻めたが、中盤に開かれた点差から相手の勢いを潰せないままセットをとられるなどしてストレート負けを許してしまった。今年の春リーグ最終週は例年より1週間遅く5月半ばとなったことで、連休中には多くの高校との練習会も行い、軟打やフェイントへの反応、2本目を攻撃に繋げる意識など2週目の反省点にしっかりと取り組んだ。そして迎えた最終週では練習してきたことが試合に活かされ、福山平成大学には0-3という結果だったが岡山大学・山口大学にはセットを落とすことなく全試合を終えた。順位は4位になったが、それぞれの選手が成長・活躍を見せる1ヶ月間となった。
1週間後の中四国選手権大会では予選リーグで四国学院大学と戦い、アクシデントによってチームの中心にいた前田が負傷してしまった。相手のミスにも助けられ何とかストレートで勝ち、翌日の決勝トーナメントでは環太平洋大学と戦い、チーム状況からサブメンバーも起用しチーム全員で戦う1日となった。起用された赤崎・岩浦、もともとコートにいた小熊と4年生の活躍、2年生の景山・上垣の成長ぶりも垣間見え、3-0で勝ち次へと駒を進めることができた。決勝トーナメント3回戦、東亜大学との試合は0-3で負けてしまったが、相手を苦しめるサーブや切り返しからの攻撃で3セット目は23-25と大健闘だった。主軸の前田が不在、そして立花も体調不良で欠場した状況の中でもベスト8という結果を残し、1人1人の意識の高さとチーム力の強さを実感できた大会となった。
6月に入り、トレーニングでの体作りや個人スキルのパワーアップに取り組んだ。平成20年度入学生の5人が幹部として迎える最後の大会、西日本選手権大会では、予選グループ戦第1戦で立命館大学と対戦し、前田・出来尾が中心となって攻守に渡ってチームを引っ張っていったものの、自分たちのミスで上手く回せずストレートで負けてしまった。予選グループ戦第2戦で大阪経済大学に勝ち決勝トーナメントへ進むと、翌日は朝日大学とこの時期ならではの暑さとも戦いながらの対戦になった。一進一退の中で前田・小熊を中心に4年生の存在が本当に大きく感じられたが、点差を縮めることが難しく気持ちも相手に向かわせきれないままセットカウント0-3で敗戦となった。試合以外の部分でのミスも含め、選手たちはやりきれない思いと勝たなければ次へ進めないというトーナメント戦の極みを味わった。そしてこれ以降、幹部は平成21年度入学生の出来尾、マネージャーの門脇に交代した。
新しい幹部の下、「切り返しから点のとれるチーム」を目指して天皇杯広島県予選へ向けての練習に取り組んだ。秋以降を見据えてセッターを上垣、レフトに前田・景山、ライトに岩浦というポジション変更を経て、県予選では大塚クラブと対戦した。序盤からサーブミスを始め自分たちのミスに苦しみ、持ち味だった幅を生かした攻撃の展開も上手く発揮できず0-2で1回戦敗退となってしまった。悔しさと応援してくださる方々への申し訳なさを胸に、チームとして、個人としてのレベルアップを図り「広大」としてのバレーをもう一度築いていく決意をし、上半期を終えた。 |