上半期の課題を克服するために、夏休みに東海のサマーキャンプに参加するなど個々のレベルアップをはかった。上半期に膝を負傷し、治療に専念することとなった森本のポジションに池上が入り、残りの試合を戦うこととなった。下半期最初の試合である中国五大学は山口大学で行われ、この大会では普段試合に出ることが少ないメンバーも出場したり、普段とは違ったポジションで戦ったりと一人一人が経験を積むことができた試合となった。
天皇杯・皇后杯中国ブロックラウンドは山口県で開催され、準決勝では昨年敗れた誠英高校と対戦した。上半期の課題であったブロック、レシーブがうまく機能し、1セット落としたものの勝利を収めることができた。続く決勝戦ではリベンジを賭けた大野石油広島オイラーズと対戦した。しかし、集中力を欠いた何でもないミスが目立ち、リベンジできず惨敗した。チーム、個人の精神面での脆さや波の激しさを痛感した試合となった。
9月・10月と3年生が教育実習のため、全員が揃う練習がなかなかできない中、秋リーグを迎えた。1週目は4勝したものの、福山平成大学戦では序盤から慌てる場面が多く見られ、自分たちのミスで1セットを落としてしまった。2週目の広島文化学園大学戦では、ここという時にコンビミスがでたり、簡単にブロックを利用され、相手がやりやすいように自分たちがしてしまったりと、リズムを作ることができずフルセットの末負けてしまった。この敗戦により、優勝するには1セットも落とすことが許されない状況となった。そして迎えた広島文化学園大学との最終戦では、序盤からブロックが機能し、全員で繋いでコンビに速攻を絡めて1点ずつ得点を積み重ねることでストレート勝ちを収め、見事秋リーグ逆転優勝することができた。しかし、やればできるのにそれが厳しい状態にならないとできない甘さがでた試合となった。
広島県で今年最後の試合となる広島県学生バレーボール大会では秋リーグの反省を生かして、始めからやりきることを目標に挑んだ。全員がコートに立つ機会をつくり、一人一人の役割を果たすことで、ミスも少なく優勝することができ、残すは全日本選手権大会となった。
そして、4年生最後の試合となる全日本選手権大会が東京で開催された。今年は昨年ベスト16でシード権を獲得しているため、トーナメント戦からの試合となった。トーナメント2回戦は西南女学院大学と対戦した。キャッチで崩されクロスレシーブを上げきれず1セット目を落とすが、2セット目からは上手く対応し3回戦へと駒を進める。続く3回戦は京都産業大学と対戦し、序盤からレシーブで繋いでリズムを作り1セット目を取ったものの、2セット目は相手の両エースを止めることができず落としてしまった。3セット目は大事なところでの相手のミスに救われ、6点差で負けている場面から、連続のブロックポイントや4年生の執念のスパイクで追いつき、危なげながらデュースの末3セット目を取り勝利を収めた。ベスト8を賭けた4回戦は東京女子体育大学と対戦した。相手のエースのスパイクを拾い負けせず、粘りのプレーで1セット目を取ったが、2セット目はキャッチを崩されだし、相手の高いブロックに阻まれ落としてしまう。もう一度セット間に自分たちのやるべき事を確認し、挑んだ3,4セット目では、相手のセンター攻撃を止めて好レシーブや繋ぎが見られ、気迫のプレーで勝利し、広島大学初のベスト8入りを決めた。そしてセンターコートを賭けた準々決勝では、関西学連1部2位の京都橘大学と対戦した。攻守ともに安定している相手に対し、木下、伊東を中心に軟打を混ぜながらの攻撃で相手を乱し1セット目を先取した。しかし、2セット目は序盤に自分たちのミスで点差をつけられ苦しい展開となり、落としてしまった。3セット目はもう一度全員でやろうと気持ちを一つにし、キャッチとレシーブをしっかり上げ自分たちの攻撃に繋げることができ、このセットを取ることができた。4,5セット目はレフトエースのパワーあるスパイクが拾いきれず、フルセットまで持ち越したが敗戦し、自分たちの最後まで粘りきる体力や力の無さを痛感した。負けはしたものの、初のベスト8入りができたことはやればできるのだという自信にすることができ、また4年生の思いを感じることのできた大会となった。
この試合で平成21年度入学生の伊東、木下が引退となった。この1年は自分自身の強い部分も弱い部分も実感し、誰かのために頑張ることが力になることを知るものとなった。来年は今までの先輩方が残してくださった伝統を大切にし、今年のベスト8の結果を越えることのできるように頑張っていきたい。 |