コートの仲間第23号 OBからの一言


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夢の教材化を目指して、20年
19期 藤井 範信
 毎年、「コートの仲間」を拝読し皆様の活躍や先輩・後輩の方々の思い出など懐かしく読ませていただいています。特に講演の内容が素晴らしく二度三度と読み返す事があります。
 西村先生のご尽力と橋原先生、お世話してくださる皆様に大変感謝しています。  私は、38年間広島県内の小学校に勤務し定年退職。その後、広島市教育委員会生徒指導課に勤め、現在は週4日、故郷で「自然と調和する里山・里庭」作りに悪戦苦闘しています。6月には地区のバレー大会に出場しアキレス腱断裂。痛い足で草刈り・チェンソ―作業・畑での野菜作り・猪鹿対応等更に苦悩の日々を送っている今日この頃です。
 大学卒業後のバレーボールとの縁は、小学生・高校生・電力会社・銀行・体協等のコーチ・監督をし、20数年間は広島市リーグ「広島市教職員チーム」として試合に出場し、広大バレー部の後輩にはよく叱られていました。1部まで上り詰めた時代もありました。
 バレー関係のお世話は、ご迷惑をかけながら広島県、市小連審判長・県協会審判委員・理事等を、日小連審判委員・教材研究委員・常任理事等20年余り、日本バレーボール協会では指導普及委員会に数年所属してました。特に小学生関係では、夏休みは毎年一週間ばかり全国大会の審判・選手村等のお世話をしていました。この大会に出場した全国のちびっ子だった小学生が大きく成長し、日本リーグ・オリンピックの選手として活躍する姿は大変に嬉しいものがありました。
 このような、バレーボールとの縁の中で一番関わりの深いのが、「小学校学習指導要領へのバレーボール教材化」に向けての仕事でした。昭和33年小学校の正課体育の教材としてあったバレーボールが要領から削除されました。それから30年後の平成元年、ソフトバレーボールの開発により、小学校教育の正式カリキュラムに導入するため協会をあげての取り組みが始まりました。
 平成2年ミニソフトバレーボール研究指定校が北海道・奈良・広島の小学校3校に委嘱されました。平成3年委嘱校の広島市立山田小学校に私は転勤になりました。平成4年の11月、文部省より体育局長他3名・日本バレー協会松平康隆氏他協会役員の全員が来校され、一般には公開されず1年から6年生までの45分授業6時間を寒い体育館のステージの上で参観され協議会が持たれました。昼食は給食での対応でした。協会の本気さを強く感じた一日でした。児童も柔らかいボールでのびのびと元気の良い歓声をあげ学年に応じた取り組みをしました。
 その後、日小連理事長山崎氏を中心に全国指導普及講習会・ブロック講習会が行われ、委嘱校3校の教諭が分担し講義と実技を受け持ちました。クラス担任をしながら年間60日もの出張(夏期・冬期休業中20日余)は児童に大変迷惑をかけました。管理職になっても14年間全国の講習会に出かけることになりました。
 取り組みから7年。平成10年ソフトバレーボールが新教材として導入されることが告示されました。私は導入委員長から研究委員長になり、研究指定校も国立付属小学校2校が加わりました。11年・12年度「新教材・指導講習会」が47都道府県で教育委員会主催になる県が多くさらに忙しくなりました。文部科学省池田先生・東京学芸大永島先生などにお世話になりながら、22都道府県を担当講習しました。従来の普及講習会とは異なり、4〜6年生の授業をやってほしいと望まれる県が多くありました。富山・奈良・滋賀・岡山・香川・福岡等その日初めて会った児童に、広島弁で授業や指示をするので通じなくて、講習会参加者が笑い転げることも多々ありました。どこの県でも授業の後半になると、児童は汗びっしょりでソフトバレーの授業を楽しんでくれました。
 そんな中講習会で強く印象に残った県がありました。群馬県前橋市教育委員会は、16・17・18年度の3年間で市内全教員が必ずソフトバレーの授業講習会を受ける取り組みをされました。体育館での30数コートは圧巻でした。また秋田、富山県の講習会では体育研修会に関わらず、講義では先生方の全員が背広ネクタイ・実技は運動着と区別され、こちらが緊張し取組みへの熱意と真剣な姿勢が強く印象に残りました。その後の全国学力調査結果を見て納得するところがありました。
 各県の講習会参加者名簿を帰広してゆっくり目を通し、広大バレー部の出身であった方を見つけることがありました。講習会準備など中心になってされた方もいらっしゃいました。あわただしく来て、あわただしく帰る講習会で、先輩・後輩の先生方に声をかけることもなかったことを大変残念に思っています。
 協会の推進計画から20年。今回、平成20年8月に改定告示された小学校学習指導要領では、ゲーム・ボール運動の「ネット型」の中にソフトバレーボールが入りました。全国の小学校で授業としての取り組みがはじまりました。広島大学でバレーボールをしたことが大きな縁となり、教材化への取り組みに最初から関わることが出来たことを嬉しく思っています。今後、児童がバレーボールの楽しさ面白さを知り、バレーボールの普及と競技人口がうんと増えることを夢見ています。
 広島大学バレー部の更なる飛躍を楽しみにしています。
 皆様のますますのご健勝とご活躍を心より祈っています。

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