コートの仲間第27号 OBからの一言


Click your color !
 
同窓会トップページに戻る OBからの一言(3)に戻る OBからの一言(5)に進む

広大バレー部のみなさんへ
「学生のうちからバレーボールの指導や普及に関わってください!」
51期 和田 直樹
 10年ぶり?に原稿依頼をいただきましたので、広大バレー部を懐かしくふり返ると同時に、何か少しでも後輩の方々のお役に立てればと思い、私の大学卒業後からこれまでの経験や現在の状況、考えなどを書かせていただきます。
 私自身は、福山市の私学である銀河学院高等学校に勤めて14年目の半分が過ぎました。赴任当初から女子バレー部を預かっていますが、前任の監督が教頭になられるタイミングで赴任しているため、すぐに監督としての生活が始まりました。 右も左もわからない中でのスタートだったので、まずは自分の恩師や、職場や職場以外の先輩方から教わったことを実行していこうと考えていました。
 「バレー部のための学校ではない、学校あってこそのバレー部だ」
 これがそのひとつです。ということで、内からも外からも支援・応援していただけるチームを自分色でつくっていこうとしてきました。もちろん、チームどうこうでなく、自分自身が他者から一目置いてもらえなければ話になりません。とにかく勤務を休まず、頼まれたことには絶対にNOと言わず、授業も生徒指導も学校行事も、自分なりではありますが一所懸命に取り組みました。このことは、今でも挑戦しています。今年の広島はカープの優勝で盛り上がっていますが、やはり男気・黒田投手の存在無しには語れません。自分の存在がチーム(=職場)に欠かせないものであるのかどうか。自分の発する言葉が人の心を動かすものなのかどうか。そうありたいものです。
 次に自分のチームづくりの事ですが、チームづくりといっても色々なタイプがあるはずです。チャンピオンを目指す、とにかく楽しむ、普及を目指す、…等だと思います。学校チームなら、その学校の状況も異なります。学校として強化している、逆に指導者が個人の思いで強化している等、様々です。私は、それまでの私自身のバレーへの関わり方と、前任の監督からの思いで、私なりにチームの目標設定をしました。
 「全国で勝つ」
 チームでの活動の目的もはっきりと銘打ちました。
 「目標に向かって取り組むなかで、人間的に成長する」
 この2つを根本的なチームの柱としました。
 その2つを柱にしながら、特に大切に考えていることは「そこにどんな人がいるか」ということです。そこにどんな監督がいるか?そこにどんな選手がいるか?ということです。やはり、いい選手が来てくれるに越したことはないのですが、「いかにいい選手に育てるか」、ということがうちのチームでは最重要課題になります。広島県でベスト4に入るようになり、最高で準優勝までで、自分なりに自分の指導力もある程度把握しました。把握したところで、「この調子で進んでいては広島地区の学校に及ばない!そうなると目標に届かない!!」という考えが頭を巡り、「中学校から自分のところで鍛えて、中高の6年間で考えよう」という発想に行き着きました。(銀河学院は中高ある学校なんです。)
 しかしうまくいきそうになりながらも、なかなかうまくいきませんでした。中学校チームを任せた指導者の未熟さ、それ故に生じてくる摩擦、高校進学にあたっての強豪校からの引き抜き等、様々なことを総監督的な立場で経験し、考えさせられ、学びました。現在は、リセットというタイミングでもあるので、今後しばらくは中学生と高校生の両方を鍛えていくことに挑戦する決意をしています。元全日本女子監督の柳本晶一さんが、「人生負け勝ち」という言葉を使われていますが、この言葉の通り突き進んでいきます。他にも最近気に入っている言葉のひとつに、「目標が、その日その日を支配する」というものがあります。やり方もわからず、実績もなく、気合いも中途半端かもしれません。が、いつか必ず日本一の指導者になってやろうと考えています。元プロ野球監督の野村克也さんの「弱者の戦い方」という考え方を参考にしていきたいものです。
 また、家庭のことですが、妻の智恵子(旧姓:小川)は、52期の女子バレー部のキャプテンをしていました。現在、3児の子育てと仕事とを両立しています。育児休暇中は育児から家事まで全てしてもらっていましたが、公立中学校に職場復帰してからはお互いに多忙を極めています。私も少なからず、家事の一部を担っています。妻も、仕事をして、バレーの指導をして、家事をして、子育てをしていますので、できるだけ担えれば、と考えています。(が実際は…。ごめんなさい!)男側からも、女側からも、「内助の功」は絶対的な支えになります。みなさんも将来、素敵な伴侶を迎えてください。アメリカの有名なバレーボール指導者であるカーチ・キライ(だったと思います)が、「良い夫であり、良い父親であり、良い指導者でありたい」と言っていました。その通りだと思います。幸いなことに、小学3年生の長女がバレーボールを始めました。父親としても、娘にバレーボールの良さを教えていきたいと思っています。
 現役生のみなさんには、教育系の学部に限らず、将来的に(もっと言えば現役の時からでいいと思いますが)バレーボールの指導や普及に絶対に関わってほしいです。今みなさんが取り組んでいるバレーボールの将来に、危機感を持ってもらいたいのです。私はしていませんでしたが、大学生の時から「学生コーチ」という形がとれて指導に関わっていくことは、自分にとっても地域にとっても発展的なことです。極論ですが、指導者がいなければ選手は出てきません。その地域に小学生の指導者がいなければ、その地域からは小学生選手は出てきません。中学生の指導者がいなければ…、高校生の指導者がいなければ…、バレー人口が減れば、いずれ指導者になる人が減るのもごく当然です。指導者がいなければ選手は出てきません。
 みなさんも含めて、我々現在バレーに関わる者が、その危機感を持っているのといないのとでは大違いです。今後の選手たちから、「あの人がいたからバレーを始めました!(続けています!)(大好きになりました!)(上手になりました!)(…!)」という声が出て、その「あの人」が広大バレー部出身の指導者や関係者であることを切に願って、そろそろ締めくくりにしていきたいと思います。
 まだまだ余裕がなく、勉強したいのにできていないことがあります。それは、歴史、武将、異業種(特に経営されている方々)についてです。こういうことの知識が、きっとチーム作りにも役立つと思うからです。もっと早い時に、若い時にしておけば、また今とは一味違ったんだろうな、と思います。こんなこと、学生の時には1ミリも考えていませんでした。でも今は考えています。私の今回の文章を読んだ学生たちに、何か少しでも良い影響があれば嬉しいです。
 現役生のみなさん、ページが増えてすみません。オリオリしながらでも読んでください。
 同窓生の皆様、今回は学生に向けて書かせていただきました。しがない文章で申し訳ありません。個人的にまだまだ勉強したいことだらけですので、私を鍛えていただける、という方はぜひご一報いただけたら幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。

【宣伝】Facebookで「銀河学院高校バレーボール部」のページを開設しています。ぜひご覧いただき、「いいね!」してください。よろしくお願いします!

同窓会トップページに戻る OBからの一言(3)に戻る OBからの一言(5)に進む

Copyright (c) 2016 広島大学体育会バレーボール部 All right reserved.
赤 黄 緑 水 青 紫 灰 白 黒