どうもご無沙汰しております、57期の東です。
私は2005年に広島大学工学部第一類に入学し、バレー部に入部させていただきました。在学中は勉強と部活とバイトを1:7:2くらいの比率でやっていました。こう言うと部活にもの凄く励んでいるようですが、どちらかというと勉強をほとんどしていなかったという意味です。そんな不真面目な状態ではありましたが素晴らしい先輩後輩、仲間に恵まれ本業の勉強である工学以外については貴重な勉強をさせてもらい、現在はHondaというところで働いています。
さて本題に入りたいところですが、まずは広島大学バレー部のみなさまには2014年11月の私と裕佳子(旧姓:東口)の結婚式において盛大な祝福を頂戴しまして、ありがとうございました。すごいなと思ったのは、私を全く知らない人もまるでディズニーランドのスタッフのような祝福、入場シーンはエレクトリカルパレードのごとくで、どうすればあのようなことができるのか。本当にありがとうございました。あの日は一生色褪せないと思います。
そう言った恩があり、原稿依頼を断れなかったというのが実情です。少しでも恩返しができればと思います。
では、本題に入りたいところですが…(その2)、原稿の依頼を受けた時「テーマはなんですか?」と聞いたら「特にないです。」と。「何ページくらいですか?」「特にないです。」と。「じゃあ三行でいいですか?」と聞くと「ははは」と。
それで悩んだわけですが、私が企業で働く中で感じたこういう人が今後必要かなというものを語りたいと思います。これは現役の学生にとっては卒業後出くわす課題の一つを垣間見ることになるでしょうし、広大バレー部のOBやOGの方は偉大な指導者、教育者ばっかりですから”明日の若者”へのリクエストを出すことができると考えたからです。人生経験の浅い未熟者の戯言を寛容な心で聞いていただければと思います。
私が働くのは前述の通りHondaというところですが、みなさんどんなイメージですか?Hondaでは「能ある鷹は爪を出せ」という諺がありまして、自分が得意なことをどんどんやろうという文化があります。また「The
power of dreams.」という言葉の通り「ひとりひとりの夢」を大切にしていて、やりたい事を追求する文化でもあります。みんな子供みたいに自由で個性派の変わった人の集まりです。ワイワイガヤガヤと議論するワイガヤという文化もあり、役職など関係なく言い合います。その癖が抜けず、街でHondaの人を見るとすぐにわかります。飲み会なんかだとうるさいので出入り禁止になる店もいくつかあります。良い例ではないですが、ひとりひとりが得意なことを大切に活き活きと働いていると受け止めて下さい。Hondaの人は欠点もたくさんありますが、長所を大切にしています。
話は変わって、2016年はカープがリーグ優勝しましたね。広島はたいそう盛り上がったのではないでしょうか。私はホークスファンではありますが、嬉しくて飛び跳ねました!去年までマエケン頼みのチームと思っていましたが、守備が上手い人や神ってる人など個性的な選手がうまく噛み合って強かったですよね。こんな話をしたのは、自分の強みを生かして「俺はこれが得意だ」と胸を張れる事が大切な事ですごい力を発揮すると思っているからです。
ただ、負の側面もあります。企業の様な組織だとみんながそれぞれ思い思いに勝手なことをして統制がとりにくくなります。これが野球だとみんながホームランを狙っているようなもので凡打の山です。バレーだとみんなサービスエースを狙ってサーブミスばかりです。サッカーだとゴールキーパーが点を獲ろうとしています。こんなチームは弱いですよね。実は、今のHondaはこんな状態です。
ここでこんな人がいたらなあと思うわけですが、それは広島カープ黒田投手です。今年で引退は残念ですね。黒田投手のツーシームは左打者の内角からグッとストライクゾーンに切れ込み攻略は難しい。ストレートも全盛期ほどスピードはないですが、経験の豊富さから見せ方がうまく打者は手が出ません。そして男気に溢れる...。
これは冗句ですが、本筋に戻すと黒田投手が果たした役割は投手としての成績だけではない気がします。想像ですが、黒田投手はカープの投手陣に自身の経験から様々なアドバイスを行ったのではないでしょうか。それは技術的な事やメンタル面の事もそうですが、おそらく「お前のストレートはいいぞ、メジャー級」などその選手の長所を褒めたりしたのではないかと思います。黒田投手のような日米で物凄い実績を持った選手からそんなこと言われたら、豚も木に登りますよね。この場合、鯉が滝を昇った。そうしてみんな自信をもって自分の長所を発揮してリーグ優勝につながったのだと思います。(日本一になれなかったのは本当に悔しかった、来年期待しましょう)
各個人の長所を引き出して目標達成にベクトルを向けるようなリーダーシップを持った人。これが今後必要かなと思っている人物像です。
こういう人がいれば、みんな活き活きと自分の長所を発揮しやすく、総活躍になる。ここ最近の教育では「長所を伸ばす」みたいな事が叫ばれていますが、ここでもひとりひとりの長所を「認めて」「発揮させる」ことが肝要でないかと思います。その役目は学校だと先生かと思いますが、子どもの中からそういう人が出てきたら素晴らしいですね。
そういう人はHondaにはなかなかいないのですが、広大バレー部にはそれをできる人達ばかりだと思っています。ここでタイトルの「得手に帆をあげて」が出てくるわけです。広大のみなさんの今後のリーダーシップに期待しています!業種、分野は様々かと思いますが、よりよい世界や未来のため頑張りましょう。
蛇足ですが、私は理系の人間でして、文章を書くことが得意ではないうえ、仕事上の報告でも寛容な耳を持った方は少なく、非常に簡潔に伝えることが求められるため、こんなに長い文章を書くことはほとんどありません。冒頭の「三行でいいですか」は受け流されましたが、結構本気で言いました。得意分野で力を発揮しようといった事を謳いながら、一方で苦手な事も逃げずにやることも大切だなと痛感させられました。
最後まで非常に稚拙な文章にお付き合いいただきありがとうございました。また広島にも遊びに行こうと思います。その時はおいしいお好み焼きのお店を教えてください。 |